えひめ丸 慰霊の俳句と短歌

repose of souls,
every narcissus is facing
toward the sea
（和訳）
鎮魂や水仙はみな海を向く

spring crescent moon,
his final photo
is always smiling
（和訳）
春三日月いつも遺影は微笑みて

singing leniently
Ode to Early Spring.
loneliness
（和訳）
おほらかに歌ふも淋し早春賦

たましひは傍らにあり春の星
きさらぎや海の冷たさほどの風
その人の声は残れり桜貝

夢多き人でありしかその若き遺影の瞳凛と輝く
亡き人の思いのごとく白菊の香りは強し献花の朝（あした）
父の子の師の教え子の先輩の遺せし思い語り継ごうぞ

鐘ここのつ響き渡るや冱返る

ご冥福をお祈りいたします。🙏

仏桑花とまれ訪ふ慰霊の碑
はろばろと群青の海渡りたる若人の声甲板に満つ

2005年今から20年前、亡き父の傘寿のお祝いにハワイ旅行を致しました。旅の希望を聞くと、父は迷うことなく真珠湾とえひめ丸の慰霊碑と答えたのです。
海辺にある慰霊碑がきれいに手入れされているのを見ることができ、安堵した穏やかな父の表情を思い出します。

えひめ丸　みなの思い乗せ　いつかまた

節分の　のちに想うは　君たちのこと

亀が鳴く　もしもあの事故　なかったら
太陽が　涙を拭きぬ　アロハシャツ
許し合ふ　海一つなり　南風
宇和海に　真珠湾にも　虹かかる
友好の　絆手繰りし　青嵐
逞しき　夢の途中や　恋鮪
故郷を　出て二十三年　夢桜

先月三浦美術館でご一緒させていただきました。その節、ご案内をいただきました。その後、思いついたものですから、応募させていただきました。よろしくお願いいたします。

日脚伸ぶ今日の水面は優しくて

日本は春に向かっています。穏やかな水面が、被害者とご遺族の心をきっと癒してくれることでしょう。

海原に儚く散った若き夢　夜毎夢見る　眩い笑顔

time to pray
in spring dawn,
I set sail
（和訳）
春暁は祈りの時間出航す

a waterway
keeps improving day by day,
we pass the memory down
（和訳）
水尾は日々新し語り継ぐ記憶

calling his name
but no reply from the sea,
cold spring
（和訳）
名を呼べど海は応えず春寒し

宇和島の蜜柑の実る山遥か海に祈りの尽きることなし
鎮魂の鐘の響きは誇らかに海を愛せし人忘れじと
その人を海は忘れじ生き様を刻むがごとく九春の水尾

鎮魂の鐘は九つ二月早や
忘れじと菓子投げ入れん春の海へ
人恋へば海に棘あるごとく二月

春の海歩み止まったスニーカーもし歩めたら四十路の君は

春星や忘れてならぬ鎮魂歌

永遠に君を語ろう海は春

失われた命に思いを馳せる、そのことが未来をより良くするのでしょう。
参加させていただき感謝です。

1989年生まれです。短歌を投稿します。
海濤（かいとう）にのまれし生徒に思ひ馳せ若者われは学に勤（いそし）しまん

子の歳を数ふる母へ春の波
箱舟に君をさがしてゐる睦月
亡子いま不惑となれり春の海

2024年の最初の１句をありがとうございます。味わい深いです。

ハロウィンに浮上するかなえひめ丸

二句投稿します。

春光の
ハワイの空に
安寧願う


春の海
眠る御霊に
手を合わす

貝寄風や今もみずやにマグカップ

2024年、23周年のえひめ丸慰霊祭まで１ヶ月となりました。23年4月に古角さんからいただいた句から全てをまとめ、ハワイと宇和島にお届けします。投句、出詠をお待ちしております。

不明のまま還らざる息（こ）を守り神になりしと言ひし親御の心

みなさま、今年も投句、出詠、ありがとうございます。本投稿欄からは2022年2月11日にいただいたようべいさんの句から2023年2月の慰霊祭に捧げる作品集に収録させていただきます。<br>つまり常時受け付けておりますのでいつでもご投稿ください。